仮想データセンタの到来

掲載者:CUPA運営委員 山崎 泰宏

IaaSと呼ばれる分野には数多くの製品が存在する。OSSならば、有名どころではEucalyptusや、OpenStack、CloudStackが挙げられる。筆者が関わっているWakame-VDCも、知名度は低いが同じ分野のOSSである。今、IssSのあるべき姿が大きく変わろうとしている。

いずれも、現時点ではAmazonが示したモデルを模倣しているものに見えるかもしれない。しかし、各基盤ごとに、目指すものが異なってはいるのだろう。各基盤の真意までは詳しく把握していないが、ソフトウェアの設計をみると、それぞれの特徴は見て取れる。最近になって、Software Defined Network (SDN)のキーワードが現れ、データセンタのネットワーク構造をプログラマブルにして行くトレンドが出てきている。この流れの実現のために、ネットワークが、仮想化やソフトウェア化していくのである。これを受けて、IaaSは従来のリソース割り当て業務以外に、以前より幅広い範囲でインフラのコンフィギュレーションを事細かに担うようになってきた。これに乗じて、データセンタの全てをSoftware Definedにするメッセージが各社から発表され始めた。データセンタ内部のあらゆるものが仮想化され、ソフトウェア化される。物理的に固定化されていたインフラが、論理的に可変なインフラへと変わる。

こうした動向は、IaaSの在り方を今一度整理する方向に働いている。以前、筆者は日経コンピュータ誌面にて、クラウドコンピューティングの連載(全7回)を持ったことがある。その最終回にも、将来の動向として、データセンタ全体が仮想化されることを述べた。まさに、この流れが起こりつつある。従来のAWS追随型のモデルから、データセンタそのものの仮想化、ソフトウェア化を目指す方向に動き始めている。人々はこれまでのインフラ設計にありがちな制約から解放され、この仮想データセンタの上で自由にアプリケーションを書けるようになる。そこから新たな提案も可能になるだろう。私たちは、仮想データセンタの時代に備えなければならないのかもしれない。