小さい会社がOSSを仕事にすると言うこと

掲載者:CUPA運営委員 山崎 泰宏

皆様、日頃よりCUPAの活動にご賛同いただきましてありがとうございます。東京も梅雨入りしたそうですが、まだ湿度を感じず、窓を開ければ涼しい毎日ですね。皆様はいかがお過ごしでしょうか。気温変化が大きいので、体調など崩されないようにお気をつけください。私はOSSを開発しながらそれを展開すると言う仕事をやっておりますが、色々ご質問をいただく中で、よくお答えするのが2つあります。それは(1)OSSでどのように収益を上げるのか、(2)競合とどう戦っていくのか、です。

最初のOSSとしての収益化は非常に単純です。ソフトウェアは売り物ではないので、ライセンス(その実は使用許諾契約書ですね)のような形式で、そこから直接ご費用をいただくのではなく、導入やサポート、カスタマイズと言った付帯する活動からいただく形になります。OSSは無料だからプロプライエタリ製品より安上がりになる、と言うのはコモディティ化された分野に限られた話です。Webサーバのような良く知られた製品は、以前はプロプライエタリのものも多くありましたが、今ではOSSで無料で手に入りますし、ノウハウも十分積まれて、サポートのようなものも場合によっては必要なくなっています。結果として安上がりになるわけですが、同時にこれは、一般的な用途においてはビジネスにもならないと言うことを意味します。故に、OSSをビジネスにする場合は、継続的なサポートをするか、常に最先端分野の製品であり続ける必要があります。

次の競合ですが、特に小さい会社の場合は、大きな会社に勝つ秘策があるか、と言う質問に読み替えても良いかもしれません。これも単純に、同じ事をしていると勝てないのは当たり前ですから、違うことをするしかないわけです。それは技術的に難しい事でなくても構わないのではないでしょうか。昨今の技術は広まるのも早く、思いついたアイディアはすぐに誰かが実装をしてしまう時代です。OSSで技術のコアとなるコードが見えている以上、その部分で優位になれるものはありません。良いコードであれば真似され、悪いコードであれば無視されるだけです。多少タイムラグはありますが、短い時間で製品の優劣は平準化されていきます。そうなると、製品の機能をコアにするのはあまり得策ではなさそうです。お客様としっかり対話をして、ニーズを拾っていく事であったり、将来のビジョンであったりする部分、すなわち、自分の目を通じて見たもので、自分の立場からしか考えられないものが、実は最大のコアであるのかも知れません。製品のケイパビリティで勝負するのではなく、事業のアイデンティティで勝負すると言うことでしょうか。製品はそのアイデンティティを表現するものに過ぎないのでしょう。

さて、この流れで更に手前味噌な話題ではございますが、私の関わっているWakame-VDCにもやっとボチボチ事例が出て来ました。パブリッククラウドとして、二例できました。いずれも残念ながら会員企業様とのコラボレーションではないため、ここでは詳細は割愛いたしますが、たまにはWakame-VDCの最新機能についてご紹介いたします。

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お客様の声を伺いながら、一歩一歩製品の形にしていきました。この分野には色々と似ていると見られるOSSが多数ございますので、そのうちの一つが、こんな考え方で設計・実装されていても良いのではと思っています。