日本国内でも広がるOpen Compute Project

掲載者:CUPA総合アドバイザー 林 雅之

クラウドコンピューティングの普及により、データセンターの需要は拡大し、世界各地で規模の経済(スケールメリット)を生かしたデータセンターの大規模化が加速化する傾向にあり、データセンターのオープン化となる「Open Compute Project」への注目が集まっています。これまでの取り組みを整理しつつ、日本での取り組みや今後の展開について、ご紹介します。

Facebookは2011年4月7日、オレゴン州プラインビルに建設した自社データセンターで使用しているサーバーのマザーボードや電源、筐体、サーバーラック、データセンターの設計に関する仕様を公開し、ベストプラクティスを業界全体で共有するための「Open Compute Project」を発表しました。2011年10月27日には、「Open Compute Project」を推進するための非営利組織「Open Compute Project Foundation」を発足しています。活動では、Facebookの設計図などをオープンソース化して公開するだけでなく、大規模データセンター事業者やサービス事業者、ハードウェアメーカーなどが集まり、データセンターに最適なハードウェア仕様を協議し、実際の普及を推進する団体として取り組みが進んでいます。「Open Compute Project」仕様のサーバーをデータセンター事業者に納入する「OCPソリューション・プロバイダー・プログラム」では、「Open Compute Project」仕様のサーバーなどを製造する企業を「Open Compute Project」が斡旋する取り組みも行なっています。このプログラムの中心に参加しているのが、台湾のクアンタ・コンピュータやウィストロンなどのODM(相手先ブランドによる設計製造)事業者です。ODM事業者は、本プログラムに参加することよって、データセンター事業者から直接サーバーの製造などを請け負うことができるようになります。2013年1月17日には、日本においても「Open Compute Project」を推進する団体として、クラウド・ビジネス・アライアンス(CBA)、Agile_Cat、株式会社データホテル、一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA)の4団体がOCPの活動に賛同し日本市場に向けてのOCPの推進と、日本からの提言も行うために「オープンコンピュートプロジェクトジャパン」 (Open Compute Project Japan = OCPJ) の設立を発表しました。OCPJでは、「Open Compute Project」成果情報や技術情報の共有、実証実験などの取り組みを展開しています。

日本国内においてもOCPJ も運営に参加し、Open Compute Projectに関わるイベント「OCP APAC Engineering Workshop」が、5月27日、28日の二日間、開催されています。台湾などかアジアからも関係者が参加し、OCPJに参加する日本企業や大学や研究機関などからも取り組みが発表されています。Open Compute ProjectとSoftware Defined Networking(SDN)との連携も始まっています。2013年5月8日には、Facebook、Big Switch Networks、Broadcom、Intel、VMwareなどが参加するネットワークスイッチの設計に関する新たなプロジェクトを発足することを発表し、5月16日に開催された「OCP Engineering Summit」より本格稼働しています。本プロジェクトでは、オープンで特定のOSに依存しないスイッチの仕様の策定とリファレンスボックスの開発を進めています。ネットワークハードウェアの開発におけるイノベーションを進めSDNの進展にも寄与することを目指しており、レイヤー横断でインフラが仮想化されソフトウェアで自動化される環境が次第に進んでいくことが期待されています。